The Fairy Tower™ Story

CHAPTER 5 塔から出てきたのは?

「わかりました。ありがとうございます。」ゴーレムは深々と頭を下げると塔に戻っていった。数日後、塔から100ほどの人間が出てきた。

しかし、なんと彼らは服も着ておらず、言葉もろくに喋ることができない。まるで赤ん坊のようだった。 妖精たちはびっくりしながらも服を着せてやったり、言葉を教えたり、かいがいしく人間の面倒をみた。

時が過ぎるにつれ、人間は徐々に意思を持って行動するようになり、自分たちで暮らす事ができるようになった。 妖精たちは人間が進歩していく様子を嬉しく見守っていた。

しかし彼らは妖精の町に定住することはせず、ほどなく散り散りに旅に出て皆いなくなってしまった。人間たちのいる暮らしを楽しんでいた妖精たちはがっかりした。長老は悪い事をしてしまったかと少し後悔した。

それから妖精たちは、時々人の街に様子を見にいき、困っているものを見つけては助けたり、たまには悪戯をするようになった。 しかし妖精たちには人間たちの様子にどうも納得がいかない。彼らはどう見ても塔やゴーレムを作れるほど賢くは見えないからだ。

「まく種を間違えちゃったんじゃないの」とゴーレムに尋ねると、彼はこのように答えた。

「そういった事は種から孵った人間に最初からできる事ではありません。長い長い文明の歴史を積み上げた末に初めて出来るようになるのです。」

数日後、塔から100人ほどの人間が出てきた。